2026年8月11日、米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が短期エネルギー見通し(Short Term Energy Outlook:STEO)を発表しました。この報告によると、米国の電力消費量は増加を続けている一方で、トランプ政権下でも石炭火力が減少し、再生可能エネルギー(再エネ)が増加していることが示されています。
STEOにおける米国の電力および一般炭に係るポイントを抜粋して紹介します。
- データセンターの拡大や電化の広がりが電力需要を引き続き押し上げると予測。一方で、8月3日にはテキサス州知事が新規データセンターの開発を一時保留にすると発表したことを受け、EIAはテキサス州の電力需要予想を下方修正している。
- 2026年上半期の米国の電力部門における総発電量は、2025年の上半期と比較して370億キロワット時(kwh)(1.8%)増加した。2026年になってからの発電量の増加は、主に新規の太陽光発電プロジェクトと天然ガス発電量の増加によるものであり、2027年もこの傾向は続くと予想される。

- 天然ガス火力発電は、2026年上半期に2%増加。ガス価格が比較的低水準で推移していることから、2027年も増加すると予測されている。
- 石炭火力発電は、低コストの天然ガスへの移行に伴い減少傾向にあり、この傾向は続くと見込まれている。2026年上半期の米国の石炭火力発電量は、2025年の増加傾向から反転し、2025年上半期比で390 億kWh(11%)減少した。また、2026年下半期にも150億kwh(4%)の減少が見込まれている。2027年には、石炭火力発電量の減少ペースは鈍化するものの、年間で180憶kWh(3%)の減少が予測されている。
- 2026年上半期の総発電量において、太陽光は21%、風力は6%増加。これは、再エネの発電容量が引き続き拡大していることを示しており、EIAは、2026年下半期および2027年も再エネが増加を続けるとの予測を示している。
- 米国の電源構成についてEIAは、再エネの拡大に伴い、石炭火力の割合は2025年の17%から、2026年に16%、2027年には15%に低下すると見通している。天然ガス火力の割合は2025-2027年にかけて40%を維持。原子力の割合は18%を維持すると見通している。
米国の電力構成推移
| 2025年 | 2026年 | 2027年 | |
| 天然ガス | 40% | 40% | 40% |
| 石炭 | 17% | 16% | 15% |
| 原子力 | 18% | 18% | 18% |
| 従来型水力 | 6% | 6% | 6% |
| 風力 | 11% | 11% | 12% |
| 太陽光 | 7% | 8% | 9% |
| その他 | 1% | 1% | 1% |
- 米国からの一般炭(燃料として使用される石炭)の輸出については、2026年第一四半期(1-3月)前年同期比で平均11%減少したものの、2026年第二四半期(4-6月)には、世界的な市場状況が米国の石炭輸出に有利に働いたことで増加に転じた。STEOは、2026年上半期の世界的な石炭利用量の増加に寄与した要因として:5月に季節的な在庫補充や供給の逼迫、イラン情勢を巡る不確実性といった要因によって世界の石炭価格が上昇し、6月にかけてのも高値で推移したこと。ホルムズ海峡をめぐる紛争に起因するガス価格の高騰により、欧州やアジアで天然ガスから石炭への燃料転換(石炭回帰)が進んだこと。また、天候の変化や、中国における太陽光・風力発電の出力抑制が強まったこと。と分析している。
関連情報
U.S. Energy Information Administration (EIA), Short-Term Energy Outlook
Short-Term Energy Outlook August 2026 (PDF)
作成・発行:米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)
発行:2026年8月11日
