なぜ脱石炭? その3

省エネ&
再生可能エネルギーで
安心できる豊かな社会を

2022年度は35兆円が国外に流出。
輸入価格変動リスクが高まる化石燃料より
再生可能エネルギーを
安定供給できる社会へ1日でも早く。

化石燃料は不安定で高コスト

35兆円。これが何の金額かわかりますか?2022年度に日本が化石燃料を買うために国外に支払った金額です。2019年度にはおよそ16.5兆円だった輸入価格が、なんと2倍以上にはね上がったのです。その主な理由はロシアのウクライナ侵攻や新興国でのエネルギー需要の増加などさまざまな要因による燃料の高騰。なかでも石炭は3.6倍も値上がりしました。こうした化石燃料価格の高騰に対応するため電力会社が行った電気料金の値上げが私たちの家計を圧迫しています。

エネルギー自給率が約12%に過ぎない日本は、発電に使う化石燃料を輸入に頼っています。そのため燃料の供給がなんらかの理由で不安定になると、たちまち影響を受けてしまうのです。

省エネ&再エネは経済を元気にする

再生可能エネルギーは、もともと燃料コストがほとんどかからない上に、化石燃料のように輸入価格の変動リスクを心配する必要もなく、保守や運用コストも比較的低く抑えられます。最近では蓄電や系統連系の技術も進み、再エネには難しいといわれてきた安定供給も可能になりつつあります。

また省エネを進めることでエネルギー消費を大幅に削減することもきわめて重要です。日本ではLED照明、建築物の断熱、高効率設備をはじめとした省エネ技術の普及の遅れが目立っています。制度の見直しや補助金の増額といった公的施策を充実させることで、今以上に省エネ化が進みやすい社会へ移行できます。

こうして再エネ100%×省エネ社会が進んでいけば、輸入で支払っていた化石燃料価格の国外流出を止めることができます。

2022年度、石炭・天然ガス・石油など化石燃料の輸入額は35兆円を超え、
同年度税収71兆円のほぼ50%に匹敵する富が国外に流出した。
すべて再生可能エネルギーでまかなうことができていれば国内に残った富である。

しかも電力を地産地消することで、地域でお金が循環し、教育、福祉、介護、医療などのコミュニティサービスを充実させることもできるようになります。 化石燃料から再エネに替えると、CO2排出量が減らせるだけでなく、地域経済を豊かにしてくれるのです。

小田原かなごてファームのソーラーシェアリング
写真提供:小田原かなごてファーム

再エネ先進国のドイツは2022年3月に「再生可能エネルギー法」を改正し、2035年までにほぼ全ての電力を再エネでまかなうと発表。 2030年には再エネ80%をめざしています。 いっぽう日本の2030年目標は36〜38%の低さにとどまっています。

しかし、環境省は、日本でも現在の電力供給量の最大2倍まで再エネのポテンシャルがあるとの試算を公表しています。温暖化を抑えて持続可能な社会を築くために私たちに求められていること。それはエネルギーを得るために化石燃料を輸入・燃焼してきた時代を終わらせ、太陽光や風力、地熱、小水力、地域のバイオマスといった再エネによるエネルギー自給にすみやかに移行していくことです。