横須賀

神奈川県横須賀市では、65万kW2基(計130万kW)の石炭火力発電所の建設が進められています。事業者は、東京電力フュエル&パワーと中部電力が出資する日本最大規模の火力発電事業者JERAです。もともと石油火力発電所があった土地に、新たに石炭火力発電所を建設する計画で、環境影響評価では「リプレースガイドライン」にもとづき簡略化されています。しかし、石油から石炭に燃料転換することでCO2排出係数は増えていることから「簡略化」するのは問題だと指摘されています。

東京湾岸では、2013年以降に市原、千葉、袖ケ浦でも大型石炭火力発電所の建設計画が浮上していました。それぞれの地域では地域住民たちによる反対運動がスタートしていたため、2017年には4つの地域が連携して「石炭火力を考える東京湾の会」が発足します。

その後、地域住民たちの活動の成果もあって、市原、千葉、袖ケ浦の石炭火力の計画は中止となりましたが、横須賀の計画だけが残り、2019年8月1日には本格工事が着工してしまっています。横須賀この計画に、横須賀市民が中心となって活動を展開するとともに、千葉県側で石炭火力の反対運動を展開してきた人たちも一緒に東京湾の会として横須賀の計画に対して反対の行動を起こしています。

また、横須賀市民が中心となって48名が原告となり、事業の環境アセスメントの手続きで確定通知を出した国(経済産業省)に対して裁判を行っています。原告には、横須賀の海で生業を営む漁師の方なども参加しており、横須賀の海の気温上昇で海藻や魚貝類が激減し、気候変動による大きな被害がすでに出ている実態なども報告されています。