釧路

北海道釧路市では11.2万kWの規模の石炭火力発電所・釧路火力発電所の建設計画が2015年に浮上しました。その後建設工事がすすめられ、2020年11月に商業運転がスタートする予定です。この事業は、電力エネルギーインフラ向けの投融資に特化した投資ファンドの運営会社IDIインフラストラクチャーズが100%出資しています。

もともと発電所がなかった場所に新規で石炭火力を建設し2020年以降に稼働することは、パリ協定の目標に逆行した事業です。それに加え、国の環境影響評価の対象である11.25万kWをわずかに下回る規模の「アセス逃れ」案件であること、釧路市との公害防止協定の基準が非常に甘く、大気汚染除去装置が設置されていないことなど、様々な問題が指摘されています。

また、日本国内では釧路に唯一残った炭鉱があり、釧路コールマインが石炭採掘事業を継続するとしており、その国産石炭を使うことで「地産地消」だとしていますが、実際には炭鉱はほとんど掘りつくされていて石炭の生産ができる状況ではなく、海外から輸入した木質バイオマスを混ぜたり外国産石炭を使うことも想定されているため、地産地消でもないという指摘もあります。

この釧路火力発電所の問題に対して、釧路では住民たちが釧路火力発電所を考える会を発足し、様々な問題を指摘する活動を展開しています。

建設工事中(ほぼ完成時)の釧路火力発電所、周辺にはたくさんの住宅地がある