【ニュース】Europe Beyond Coalは「Beyond Fossil Fuels」に前進!


Japan Beyond Coalの海外パートナーであるEurope Beyond Coal(EBC)は、その活動の成功を受けて、2023年3月28日、対象範囲を拡大し、欧州の電力部門における石炭火力発電(Coal)の廃止に加え、天然ガスを含む化石燃料(Fossil Fuels)発電の廃止し、自然エネルギーによる電力システムを実現するための道筋を示すキャンペーン「Beyond Fossil Fuels」(BFF)としての活動を開始しました。

6年前にEBCキャンペーンが開始されて以降、欧州23か国が石炭からの撤退を、そのうちの17カ国は遅くとも2030年までに撤退することを約束しました。これにより、欧州大陸の石炭火力発電所の半数以上がパリ協定に整合する時期での廃止を発表していることになります。

BFFは、引き続き欧州においてパリ協定と整合する「2030年 脱石炭」を目指す活動を継続していきます。この活動に加えて、ロシアのウクライナ侵攻によって悪化した化石燃料依存による気候変動、エネルギー安全保障、経済安定性に対する影響に対処するため、BFFは2035年までに欧州の電力部門から化石燃料を廃止し、完全に再生可能エネルギーの電力システムに移行する取り組みも進めていきます。

新たなキャンペーンの開始と同時に、BFFは2025年末までに実施すべき野心的かつ達成可能な施策のパッケージを提示した分析レポート「Freedom from Fossil Fuels」を発表しました。このレポートは、ロシアのウクライナ侵攻以降に発表されたさまざまな研究や調査に基づいた分析で、欧州の電力・暖房部門における石炭とガスの需要を2025年末までに引き下げ、太陽光、風力、ヒートポンプ、効率的なスマート電力消費に移行し、気候変動への対応に加えてエネルギー供給の確保と市民の生活費の削減につながる2035年の脱炭素エネルギーシステムへの道筋をつけることができると示しています。

経済協力開発機構(OECD)加盟国である日本は、世界の気温上昇を1.5℃に抑えるというパリ協定の目標を達成するために、2030年までに国内の全ての石炭火力発電所を段階的に廃止する必要があります。これに加え、日本は石炭火力から撤退するために「具体的かつ適時の取組を重点的に行う」ことと「(フェーズアウトに向けた)努力を加速させる」ことを約束し、さらに2035年までに電力部門の大宗(predominantly)の脱炭素化を達成することを約束しています

しかし、こうした約束にもかかわらず、日本では、石炭火力発電所の稼働が開始され、新規の発電所の建設が止まらず、さらに国内の最も古く汚染物質排出量の多い発電所で石炭とアンモニアを混焼することによって継続運転させようとする計画が進められています。欧州をはじめとする世界各国では、石炭火力の廃止や再生可能エネルギーの拡大が進んでいるにもかかわらず、日本政府はGX(グリーントランスフォーメーション)基本方針をはじめとする化石燃料を延命させる政策で、世界の流れに逆行し続けています。

Beyond Fossil Fuelsは、今後もBeyond Coalキャンペーンのメンバーとして、安全な気候、エネルギーの安定供給、豊かな経済のために石炭火力を廃止するグローバルな取り組みにおいて、JBCのパートナーであり続けます。

 

関連リンク:

Beyond Fossil Fuels ホームページ

・【Beyond Fossil Fuels】 プレスリリース:“New Europe-wide campaign shows path to renewables-based power system by 2035”【英語】