2025年12月18日午後3時頃に、四国電力の橘湾発電所(徳島県阿南市)の石炭を貯蔵しているサイロ4基のうち1基の内部で火災が発生しました。
◆橘湾発電所:2000年運転開始、出力70万kW
◆発電所敷地内の石炭サイロ(貯蔵施設):直径約46メートル、高さ約71メートル、4基
発生から3か月で「鎮圧」も「鎮火」にはなお数か月の見通し、なぜ消せないのか
火災から約3か月後の2026年3月13日、四国電力はサイロ内の火災を「鎮圧」したと発表。周辺環境や電力供給への影響は報告されていませんが、、完全な「鎮火」にはさらに数か月かかる見通しです。
消火を難しくした二つの要因
◆大量の石炭そのものが可燃物
◆石炭の消火に使用できる水量の制約
サイロ上部から燃えている石炭に向けて散水された水は石炭成分を含んでしまうため、浄化せずにそのまま排水することができません。浄化処理できる量に限りがあるため、一般的な火災のように大量の水をかけ続ける方法が取れないのです。
四国電力は、ポンプや配管などを増設し、消火に使った水を循環利用できるようにすることで、火災発生当初の3〜5倍の散水能力を確保できるようにしたと説明しています。この火災で、貯炭場での火災への対策の甘さと、石炭火災の消火対応の難しさが浮き彫りになったと言えます。
消防は設備増強により、延焼する恐れがないと判断し、3月13日に鎮圧を確認。しかし、鎮火にはサイロ内の石炭を搬出する必要もあるため、さらに数か月かかる見込みです。
火災の原因は?
四国電力は原因を調査中で、現時点では確定していません。火災発生時、サイロには4.2万トンの石炭が貯蔵されており(1基あたり7万トンが貯蔵可能)、自然発火の可能性があるとして調べが進められています。
石炭は貯蔵された状態でも酸化によって熱が蓄積し、温度が上昇すると自然発火に至ることがあります。石炭の種類によって危険性は異なりますが、消防法などにより保管方法や火災対策が義務付けられています。サイロのような密閉型の設備で保管する場合は、換気と温度監視が不可欠です。四国電力は、「今回のような火災は初めて」と説明していますが、管理体制も含めた原因究明が不可欠でしょう。
今後の懸念と見えてきた課題
近年は気温上昇が進み夏季の高温多湿環境では、石炭内部に熱や水分がこもりやすく、自然発火のリスクが高まります。今回の長期化した火災は、石炭火力発電が抱える根源的なリスクと管理の難しさを改めて浮き彫りにしたと言えます。
早期の「鎮火」と原因究明、および根本的な対策が急がれます。
参照
四国電力
1月30日 「社長定例記者会見の概要」にて火災に言及
3月13日 プレスリリース「橘湾発電所 No.4貯炭サイロ下部における火災の鎮圧について」

