【ニュース】神戸発電所3号機が営業運転開始


神戸市灘区で新規建設され、昨年から試運転を行っていた石炭火力「神戸発電所3号機(65万kW)」が2月1日、営業運転を開始しました。

これは2013年に計画が浮上し、神戸製鋼所の子会社であるコベルコパワー神戸第2が運転に向け準備を進めていたものです。神戸製鋼所は関西電力と契約し、ここで発電した電気を30年もの長期にわたって売電することになっています。年間のCO2排出量は346万トンとされていますが、これから30年も石炭火力発電所を稼働し続けるつもりでしょうか。

COP26での「グラスゴー気候合意」では、パリ協定の1.5℃目標を追求するために排出削減対策がとられていない石炭火力発電所の段階的削減が合意されました。にもかかわらず、日本では新規の石炭火力発電所が稼働を開始している事態です。2030年までの10年が、世界の気候変動対策にとって決定的に重要だと言われる中で、日本の「石炭中毒」の姿を世界にさらす愚行と言えます。

今回、神戸製鋼所が3号機の稼働を開始し、さらに4号機の建設を続けているのは日本政府のエネルギー政策にも原因があります。

・2050年カーボン・ニュートラルに向けて十分な方向性を示せていない
・石炭火力発電所の具体的な段階的削減策(フェーズアウト)が示されていない
・その上に、アンモニア・水素混焼による石炭火力を延命の支援策を進めている

神戸製鋼所は、今回の営業運転開始にあたって、そのプレスリリースで、<国のエネルギー政策に則して、火力発電設備の高効率化に寄与し、経済性に優れた電力を安定的に供給すること、また 2050 年のカーボンニュートラルに向けて、火力発電設備の更なる高効率化・低炭素化に取り組むことで「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指してまいります。>と記しています。しかし火力発電の高効率化といっても所詮は石炭です。「低炭素化」でもなく、大規模排出源そのものです。

神戸の石炭火力発電を考える会と気候ネットワークはそれぞれ声明を発表しています。

 

参考

株式会社コベルコパワー神戸第二 神戸発電所3号機の営業運転開始について(外部リンク