【ニュース】石炭が圧倒的シェアを占めていた国で着々と進む再エネの拡大


熱波や洪水などの自然災害が多発する中、各国で再生可能エネルギー(再エネ)の導入が拡大しています。本記事では、中国と英国の動きを紹介します。

中国:石炭のピークアウトか

世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国の中国ですが、再生可能エネルギー(再エネ)、特に太陽光発電の急速な拡大により、これまで最大だった石炭消費および石炭火力発電による発電量がピークアウト(減少への転換点)を迎えたとも指摘されています。

国家能源局(National Energy Administration, NEA)の発表によると、2026年上半期の全発電設備の設備容量(100%稼働した場合の発電能力)は40億4,000万キロワット(kW)に達し、前年同期比で10.8%増加。このうち太陽光発電の設備容量は12億8,600万kW(前年同期比15.8%増)、風力発電は6億7,900万kW(同18.5%増)となっており、再エネの設備容量合計としては24億5,500万キロワット(全設備容量の60.8%)に達しました。これは、同時期の石炭火力発電設備容量12億8,500万kW(同31.6%)を上回るものです。

2026年上半期の実際の発電量を見ても、石炭火力が占める割合は49.7%と初めて50%を下回った一方で、再エネの割合は41.2%と順調に伸びており、中国が低炭素なエネルギーシステムへの移行を進める上での節目を迎えていることを示しています。

中国は、第十四次五カ年計画(21〜25年)の期間中、変換効率などの技術の高度化や、急激なコスト削減などを進めたことで、太陽光発電を急速に拡大させてきました。さらに、国家発展改革委員会(NDRC)などが7月23日に発表した「再生可能エネルギー発展第十五次五カ年計画(26~30年)では、この期間に、中国の再エネが「さらなる規模の拡大、質の向上、そして確実な移行」という新たな段階に入る旨が示されています。2030年の具体的な目標として、再エネ全体で3,500GW、うち太陽光と風力発電で2,800GW賄うとしています。

石炭火力は依然として総発電量において半分近く(49.7%)を占めていますが、中国政府は、第十五次五カ年計画で再エネの開発に重きを置き、2030年までに再エネの総設備容量を約35億kW、年間発電量を約6兆キロワット時(kWh)とする目標を掲げています。

出典: Carbon Brief, Q&A: What does China’s 15th ‘five-year plan’ for renewables mean for climate change?

中国は脱炭素を国家目標に掲げており、エネルギー転換を加速させています。中国政府が、再エネを経済および社会の脱炭素化を支えるものとして重要視していることが政策に明確に示されていると言えるでしょう。

英国:太陽光による発電量で過去最高を記録

英国では2026年の夏、太陽光発電量が2025年の同時期との比較で23%増となり、過去最高を記録しました。

2026年6-8月は、英国全土で気温が上昇したことに加え、記録的な日照時間の長さが続いたことにより、同国の太陽光発電設備(太陽光発電所および屋根置きソーラー)の発電量が8.8テラワット時(TWh)に達しました。特に7月の太陽光発電量は3.3TWhと暦月ベースでは過去最高となり、同月の総電力需要の15%を賄っていたとCarbon Briefは分析しています。同月の太陽光発電による発電量は、総発電量の14.5%を占め、この数字も過去最高記録となっている5月の12.4%を上回る結果となっています。

英国政府の発表によれば、2026年になってから国内各地で太陽光発電設備の設置が加速しており、年初以降では約17万2,000件が新たに設置されました。政府が、英国の地域別の太陽光の導入状況を公表したのは初めてのことで、国内のどの地域がクリーンエネルギーへの移行を進めているかが見える化された形です。特に設置件数の伸び率が高かったのはウェールズ(18%)でしたが、各地で設置件数の増加が発電量を押し上げました。

2025年末時点で、太陽光発電は再エネ全体の設備容量の3分の1を占めていましたが、2026年はさらに太陽光による発電量が増えると期待されます。また、英国政府は、2025年の電力供給に占める再エネの割合が過去最高の52.1%に達したと発表しており、再エネが英国の電力システムの基幹となっていることを示しています。

日本は・・・

世界的な紛争やホルムズ海峡の閉鎖といった地政学的緊張が続く中、どの国もエネルギー安全保障に関する不確実性が高まる中、多くの国では再エネの拡大に注力しています。低コストな再エネの拡大は、価格変動の影響を受けやすい石炭やガスへの依存を低減させることにつながるからです。再エネは世界で着実に伸びています。
一方、日本は化石燃料に固執し続け、政府が再エネ拡大路線にブレーキをかける状況で、明らかに世界の流れから取り残されているのではないでしょうか。

各国の電力生産に占める再生可能エネルギーの割合

出典: Breakdown by country (%), The Enerdata Yearbook 2026(ウェブサイトでは割合の経年変化も見られます)