【ニュース】老朽石炭火力の延命策「GENESIS松島計画」の環境アセス方法書公開・意見募集開始


8月31日(水)、長崎県西海市の松島火力発電所における「GENESIS松島計画」の環境影響評価方法書が公開され、10月17日(月)を締め切りとした意見募集が開始されました。

GENESIS松島計画は、電源開発株式会社(J-POWER)が、運転年数が40 年以上*にもなる旧式の石炭火力発電所である松島火力発電所の2号機に石炭をガス化する発電設備を付け加え、効率をわずかながら改善し、その利用を継続しようとしている計画です。松島火力発電所は超臨界圧(SC)と言われる発電効率の低い発電技術を用いており、本来であれば、すぐにでも廃止すべき老朽火力です。GENESIS松島計画が実現すれば、運転開始から40年以上稼働を続けてきた老朽石炭火力発電所が、将来に渡ってさらに膨大なCO2を排出し続けることになります。

*1 号機(50 万kW)が1981 年1 月に運転開始、2 号機(50 万kW)が 同年6月に運転開始。

昨年秋に、計画段階環境配慮書が公表された後、方法書の公開までに予想以上の間があきました。そのため、気候変動を憂う市民は、J-POWERが計画を中止する決断をすることを期待していましたが、結局、今回の環境影響評価方法書の公開となりました。

昨年のCOP26では、石炭火力のフェーズダウン(段階的削減)が合意されました。また、今年のG7サミットの合意文書でも石炭火力のフェーズアウト(段階的廃止)の加速が盛り込まれ、日本も合意したはずです。GENESIS松島計画を進めることは、こうした動きに全く逆行しています。さらに、GENESIS松島計画のように、老朽火力を延命させるような計画が進めば、他の火力発電所でも同じようなことが起こる可能性もあります。これでは、日本の脱石炭が遠のいていくばかりで、石炭火力の延命を阻止する必要があります。

配慮書に対しては、800名近い市民から意見が提出されました。方法書でもたくさんの市民がこの計画に意見を出していくことが必要です。意見募集は、WEBサイトやメールでの提出での方法を受け付けていないため、市民のネットワーク”ACT松島”がWEB上で意見を募集して、郵送するという手続きもスタートさせています。ぜひご活用ください。

J-POWERプレスリリース <GENESIS松島計画 環境影響評価方法書の公開と意見募集について>

1.方法書の縦覧

 1)縦覧場所

  • 長崎県庁(県民生活環境部地域環境課)
  • 西海市役所(本庁、西彼総合支所、西海総合支所、大島総合支所、崎戸総合支所、江島出張所、平島出張所、松島出張所)
  • Jパワー松島火力発電所
  • Jパワーオンライン<https://www.jpower.co.jp/sustainability/environment/assessment/matsushima.html> *印刷・ダウンロード不可

 

 2)縦覧期間

  • 2022年8月31日(水)〜2022年10月3日(月)
    関係自治体庁舎については、土曜日・日曜日・祝日の閉庁日を除き閲覧できます。
  • Jパワー松島火力発電所では、縦覧期間終了後の2022年10月17日(月)まで、土曜日・日曜日・祝日を含め閲覧できます。

 

   3)縦覧時間

  • 9時〜17時

 

2.方法書の説明会

    1. 日時 2022年9月14日(水) 18時30分〜20時30分
    2. 場所 大瀬戸コミュニティーセンター 大会議室
         (長崎県西海市大瀬戸町瀬戸樫浦郷2222番地)

 

<市民版の意見募集サイト>

「GENESIS松島計画 環境影響評価方法書  」への意見フォーム(10月12日まで)