【ニュース】エネルギー基本計画の見直しへ – 石炭のあり方を見直す機会


2020年10月13日、政府は、「エネルギー基本計画」の見直しをはじめました。これは、エネルギー政策基本法という法律に基づいて国のエネルギー政策の基本的な方針を定めるもので、3年に1度、見直すことになっています。

この見直しの審議は、石炭火力発電のこれからのあり方、そして2030年フェーズアウトを実現できるのかを方向づける、とても重要なものです。なぜなら、現在の「第5次エネルギー基本計画」は、2030年の電源構成、つまり、電気を何から作り供給するのかという方針が示されており、今回それを見直そうとしているからです。

これについて話し合う審議会では、脱炭素社会の実現に向けた見直しという流れになっていますから、議論の方向性は当然、現在の、2030年の「石炭火力の割合26%」をもっと少なく、そして、「再生可能エネルギーの割合22-24%」をもっと多く、と良い方向に向かっていくことは間違いありません。問題は、どれくらい早く、そしてどれくらい大胆に進められるかです。注目するポイントは以下のような点になるでしょう。

  • 石炭火力と原子力発電を「重要なベースロード電源」として評価していることを見直せるか?
  • 石炭火力の役割を見直し、脱石炭を方向付けられるか?そして、2030年にゼロをめざせるか?
  • 同時に、原子力発電の役割を見直し、脱原発を方向付けられるか?
  • 2030年の再生可能エネルギーの割合を、大きく40-50%へと引き上げられるか?
  • そしてそれらを実現するためのインセンティブや制度を導入・改正できるか?

私たちの未来を左右する大切な議論がこれから本格化することになります。審議会は、全てオンラインでライブまたは録画で見ることができますので、どのように検討が進められているのか、審議会はオンラインで視聴できますので、皆さんも聞いてみてください。

参考

「エネルギー基本計画」の見直し 総合資源エネルギー調査会基本政策分科会
第1回資料 https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/032/
動画 https://www.youtube.com/watch?v=bLnI3svfUR0&feature=youtu.be