【ニュース】政府審議会、次期エネ基の原案を提示。2030年19%と石炭維持を堅持。


7月21日、総合資源エネルギー調査会第46回基本政策分科会が開催され、第六次エネルギー基本計画の素案が示されました。

エネルギー基本計画では2030年に石炭をゼロにする方針を政府が示すことが期待されていましたが、素案では2030年の電源構成を、再エネ36〜38%、原子力20〜22%、石炭19%、LNG20%、石油等2%、水素・アンモニア1%としており、石炭に関しては現行の26%から7ポイント下げたものの、高効率石炭火力を維持継続するという方向を堅持するものです。また、技術的に確立しておらずコストの見通しもない水素・アンモニア火力、CCUS(炭素回収利用貯留)などを打ち出し、将来的にも火力発電に依存し続けるという内容となっています。一方、再生可能エネルギーについては、「最優先の原則で取り組み、最大限の導入を促す」との姿勢が示されたものの、約36~38%程度と欧米や先進各国が掲げる2030年目標50~70%に比べると依然として低い数字に留まっています。

今後、夏の間に、この素案からエネルギー基本計画の原案がまとまり、パブリックコメント(意見募集)が行われる予定とされています。世界で2030年までの脱石炭が進んでいるのは、2030年に石炭からの排出をゼロにすることがパリ協定の目標とされる1.5℃未満に気温上昇を抑えるためにまずやるべきことだからです。エネルギー基本計画で2030年石炭ゼロにすることが位置付けられるよう、多くの人からの意見を提出することが必要です。

(参考)総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(第46回)(外部リンク