PUBLICATIONS & MEDIA
資料

【資料】ドイツの環境NGOが石炭事業に関与する企業のデータベース 『Global Coal Exit List(脱石炭リスト)』(https://coalexit.org/)を更新

2020.11.12

ドイツの環境NGOが石炭事業に関与する企業のデータベース
『Global Coal Exit List(脱石炭リスト)』(https://coalexit.org/)を更新
公開日時:2020年11月12日

ドイツの環境NGOのウルゲバルト(Urgewald)が、石炭事業に関与する企業のデータベース『Global Coal Exit List(以下、GCEL)』2020年版を公開しました。このデータベースには、石炭探査・掘削から石炭火力発電関連企業まで広範囲にわたる940社のデータが収録されており、石炭関連事業に関わる企業を包括的にまとめたデータベースとして、世界の機関投資家がポートフォリオにおける気候変動によるリスクを把握し、管理するための有用な情報源となっています。

パリ協定が採択されて以降も世界各国で石炭火力発電所の新増設が行われており、これまでに137GWが追加され、さらに500GW以上の新規発電所が計画あるいは建設段階となっている状況です。2020 GCELに掲載された940社のうちの約半数、434社が、新規石炭火力発電所の建設あるいは炭鉱の開発、石炭インフラの建設を計画しています。反対に石炭からの撤退を表明している企業は25社以下に留まっていました。

しかし、今や世界中で脱石炭・脱炭素を目指した動きが加速しています。GCELは2017年に初めて公開されて以降、毎年更新され、多くの大口機関投資家のダイベストメント(投資撤退)の指標のひとつとして活用されてきました。現在では、400を超える金融機関がこのデータベースの利用登録を行っており、GCELの3つの基準のうちの1つ、あるいは複数を石炭関連企業への投融資の判断材料として活用し、14兆米ドルを超える資産が石炭関連事業からダイベストメントされるに至っています。

GCELに登録された企業は、世界の石炭生産の90%、石炭火力発電容量の85%に携わっています。とはいえ、石炭関連企業を取り巻く状況は刻々と変わっています。今回、89社がGCELのリストから抜けた一方で、243社が新たに追加されました。理由としては、世界各地で経済状況が急激に悪化したことにともなう経営破綻や企業再編と見られますが、石炭資産は所有者が変わっても縮小しない傾向があります。それでも、大手電力会社が新規の大型石炭火力発電所の建設を断念するというように、欧州では石炭関連事業モデルが破綻するケースも見られるようになってきました。

石炭火力発電について言えば、2019年の世界の石炭火力発電の87%は10カ国(中国、インド、アメリカ、日本、韓国、南アフリカ、ドイツ、ロシア、インドネシア、オーストラリア)によるものです。特に日本は、高所得国の中では最大の石炭火力発電所計画を有しており、その規模は9GWを超えています。しかも、国外でも大規模な建設計画を推し進めています。ベトナム、インドネシアでは日本の大手商社と発電会社などが10.8GWもの大規模な石炭火力発電所の建設計画を進めています。これらの石炭火力発電所の新規建設はパリ協定の目標達成を妨げるものです。

脱石炭の流れが高まる中、石炭事業で儲かる時代は終わっています。石炭はエネルギーとしても競争力を失い、国連事務総長が2020年までに新規石炭火力発電所の建設を停止するよう求めているにも関わらず、259もの企業が世界41カ国で新規石炭火力発電所の建設を継続し、将来を脅かしているのが現状です。パリ協定の1.5℃目標を達成するためには、毎11%ずつ石炭火力発電を減少させていかなければならないのに、GCEL掲載企業のうち脱石炭を考えている企業は25社に届かず、約半数の企業が今後も新規の石炭資産を開発する意向があるとしています。また、現在までに222の金融機関が石炭への投融資を規制するポリシーを採用していますが、多くは野心に欠く不十分なものと評価されています。さらに悪いことに、石炭に対するポリシーをまったく設定していない金融機関も211もあり、まだまだ強化が必要な状況です。

パリ協定を達成するためには、2020GCELに掲載された企業が石炭事業から早期に撤退し、脱石炭の流れを加速させることが急務です。

リンク

  • 2020GCELの全容は、こちら(www.coalexit.org)よりご覧ください(2020年11月12日公開)。調査結果はダウンロードしてご確認いただけます。分析手法はこちら(https://coalexit.org/methodology)に示されています。
  • UrgewaldによるMedia Briefing(発表資料)(英語PDF

 

お問い合わせ先

ウルゲバルトの問い合わせ先(ドイツ)
Heffa Schuecking, heffa@urgewald.org, +49-160-96761436
Jacey Bingler, jacey@urgewald.org, +49-175-5217571