2020年11月17日、気候ネットワークが『2020年改訂版 石炭火力2030フェーズアウトの道筋』を公表しました。
気候ネットワークは、2020年10月に菅首相が2050年に温室効果ガスの排出を全体としてゼロとし、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言したことを踏まえて、2018年に公表済みのフェーズアウト計画の見直しを行い、今回の改訂版を発行しました。日本国内の石炭火力発電設備は1970年代以降増え続け、現在も新規の建設・運転が進んでいますが、パリ協定の目標を達成するためには、日本を含めた先進国が2030年に石炭火力をフェーズアウトすることが不可欠です。本レポートでは、日本政府の「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ」目標に沿うためには、2030年までの石炭火力フェーズアウト方針を定め、具体的な計画を策定し、着実に実施してくことが必要であると指摘しています。
レポートには、2030年石炭火力フェーズアウトの考え方として、発電効率が低く、古い石炭火力発電所から順次廃止することとし、新規計画を全て中止し、新規計画運転開始した場合の具体的な計画が示されています。
ここで提示された計画は、需要が予定より低く収まっていること、LNGガス火力発電に余裕があること、再エネ導入目標の引き上げが検討されていることなどを挙げ、将来の電力供給に影響を及ぼすことなく、段階的に石炭火力をフェーズアウトさせることは可能であると示しています。
レポート:
2020年改訂版 石炭火力2030フェーズアウトの道筋(PDF)
石炭火力2030フェーズアウトの道筋(PDF)
作成・発行:気候ネットワーク
発行:2020年11月17日