広島で石炭火力発電所の着工開始。住民からは悲痛の抗議声明


電源開発(Jパワー、東京)は3月3日、広島県竹原市忠海長浜の竹原火力発電所に新1号機を着工したと発表しました。この発電所の着工に対して、広島県芸南地区火電阻止連絡協議会では4日、Jパワー宛に抗議声明を発表し、環境影響評価書について の公開質問状を送付しました。

新1号機計画は、既設の1、2号機を動かしながら建設をすすめるというものです。抗議声明では、発電所西隣の民家が発電所敷地と新設貯炭場に挟まれる配置図であるにも関わらず、具体的な計画が示されなかったため、騒音、振動、日照がどうなるかと不安をかき立てられているとし、1、2号機を廃止して同じ場所に新1号機を建設する方法を検討したかどうかも疑問だとして進め方への憤りを示しています。また、同発電所が低品位炭利用を目指す発電所としてすすめられており、貯炭場の敷地を巡る 問題、硫黄分、ヒ素や水銀などの重金属濃度も高含有量でデータの信頼性についても疑念を抱いています。

さらには、最も懸念される気候変動問題で、CO2排出についても、「石炭火電の排出原単位を石油火電並みに」という謳い文句が消え、「環境アセスメントにおいて、事業者が利用可能な最良の技術(BAT = Best Available Technology)の採用等により可能な限り環境負荷低減に努めているかどうか」で判断されることになったことなど、疑問が尽きないと述べています。

抗議文の最後に綴られている、「誰かの健康を害してしかなりたたないような文化生活であるならば、その文化生活こそ問い直さなければならない」(松下竜一)というメッセージは、建設をすすめる事業者に届いたでしょうか。  

竹原火力発電所新1号機設備更新計画に関する公開質問状 2014年2月28日
竹原火力発電所新1号機着工に抗議する 2014年3月4日