環境大臣 中国電力の三隅石炭火力発電所の「再検討」を要請


本日、2018年1月12日、中国電力株式会社が島根県浜田市に建設を計画している「三隅石炭火力発電所2号機建設変更計画環境影響評価準備書」に対する環境大臣意見が発表されました。

昨年8月に就任されて以降、石炭火力に否定的な姿勢を打ち出されていた中川雅治環境大臣ですが、環境アセスメント中の計画に対する意見書の提出は今回が初めてです。意見書では、三隅石炭火力発電所の建設は、有効な二酸化炭素(CO2)の排出削減策が具体的に示されなければ容認されるべきではないとの考えを示しています。

この事業計画は、1998年から稼働開始した1号機(出力100万kW)に加えて、石炭を燃料とする2号機を出力40万kWから100万kWに増設し、4年後に運転開始しようとしているものです。石炭火力発電所は液化天然ガス(LNG)発電所の約2倍のCO2を排出するので、CO2排出量の大きな石炭火力発電所を建設すれば、「パリ協定」のCO2排出削減目標の達成に支障をきたす上、今後、石炭火力発電所が現在の計画通りに建設された場合、発電電力量が2030年のエネルギーミックスで示された見通しよりも上回ってしまうことも指摘されています。

この意見書は環境アセスの許認可を判断する経産省に提出され、経産大臣の勧告などを経て、建設の可否が判断されることになります。

 

参考

新環境大臣、石炭火力に否定的な考え 「新増設は認められない」(2017/8/8掲載記事
中国電力 三隅発電所2号機建設変更計画 環境影響評価準備書(リンク