環境省、小規模火力発電所を対象にしたガイドライン発表


環境影響評価法では、火力発電所について、15万kW以上では必ず環境アセスメントを実施することが定められていますが、
それ以下の11.25万~15万kW未満の火力発電所は個別の判断に応じて実施するとされていることにとどまっており、
実質的に環境アセス“なし”で建設できてしまう状況です。

そのような状況の中、環境アセスメント回避をねらうかのような11.25万kW未満の
小規模火力発電所の建設計画が複数報じられています。
気候ネットワークの調査によれば、現在(2014/11/7時点)14基の計画が明らかになっており、
設備容量は合計133.2万kWにのぼります。

小規模な発電所の建設計画は、報道や自治体の環境アセスメントの情報に頼らざるを得ず、
そうした情報すら出てこない可能性もあります。また、今後さらに計画が発表される可能性もあるでしょう。
これらは地方自治体が条例などで規制しなければ野放しになってしまいます。

こうした動きに対して、環境省は2014年10月3日に「小規模火力発電に係る環境保全対策ガイドライン~自治体や事業者の方に広くご活用いただくための環境保全技術先進事例とりまとめ~」を発表しました。

これは、アセス対象外となる1万~11.25万kW未満の火力発電所を対象に、
事業者が実行可能な最大限の環境保全対策を実施するための参考事例を示したものとしています。
環境への負荷が他の燃料と比べて大きいことから、石炭火力発電を中心にまとめられています。CO2

ガイドラインでは、小規模であっても多数の石炭火力発電所が建設されれば、「大規模な火力発電所に匹敵する著しい環境影響を及ぼすおそれ」があると懸念を示しています。

規模が小さくなるほど効率が悪くなり、発電電力量あたりの燃料消費量が増大し、CO2の排出量が長期間にわたって増えることや、スケールメリットの低下による建設単価が上昇することが考えられ、それに伴って環境対策に手抜きが生じてしまう可能性もあります。

このガイドラインは事業者に対する拘束力を持たず、結論では「慎重に環境保全対策を検討することが重要」と述べるにとどまっていますが、対策を行うことは事業者としての責務でしょう。

windpower小規模とはいえ石炭火力発電の環境影響の大きさを考えれば、
建設開始前に事業者が実施しているであろう(まさか、しないなんてことがあるのでしょうか?)
環境アセスのデータの提出・公表をするべきでしょうし、建設判断自体を慎重に行うべきでしょう。

そもそも環境アセスメントの対象規模は、風力発電では0.75万~1万kWは個別判断、
1万kW以上の場合は必ず実施となっています。
風力と火力では文字通り桁違いで、火力発電に対して極めて甘く風力発電に不公平に
不利になっており、バランスを欠いています。

小規模石炭火力の建設が看過される状況が、一刻も早く改善されることが望まれます。

関連リンク: