電源開発(Jパワー)と新日鐵住金は、2013年12月9日、「鹿島パワー株式会社」を設立したと発表しました。先の記事でご紹介した、中部電力と東京電力が設立した新会社に続き、これも、2012年11月から東京電力(東電)が計画し、入札募集をしてきた、2020年以降の新規発電所の建設・運転に関する動きの一環です。この2社も応札し、7月末に落札していました。新会社は、新日鐵住金・鹿島製鐵所構内(茨城県内)に、約64万kWの石炭火力発電所を新設する計画です。
また、中部電力と東京電力の合弁会社と同様、超々臨界圧(USC)微粉炭火力発電技術を採用することと、既設発電所での増設にあたることとにより環境アセスの「迅速化」が適用されることを見越して、2020年の運転開始を計画しています。
この会社の出資比率は、Jパワーと新日鐵住金が50%。12月9日付の日経記事では、30万kW程度を東電に販売し、残りは別に販売したいと報じられています。
これで、2020年から新たに動き出す石炭火力発電所の計画が3つ目となりました。計画されている総出力はIGCCで200万kW、USCで124万kWとなります。東電の入札時の数字260万kWよりも大きくなっています。さらに、その上東電は再入札の検討も行っています。このままでは、2020年、日本は石炭ラッシュ年になってしまいそうです。このような、温室効果ガスを大量に放出する石炭火力の新規計画を安易に進めることはやめるべきです。
リンク:
12月9日 Jパワー「鹿島パワー株式会社の設立について」
http://www.jpower.co.jp/news_release/2013/12/news131209.html
12月9日 新日鐵住金「鹿島パワー株式会社の設立について」
http://www.nssmc.com/news/20131209_100.h
12月9日 日経 「Jパワーと新日鉄住金、石炭火力発電SPC設立」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD090NQ_Z01C13A2TJ2000/