2020年10月26日、第203回臨時国会において、菅総理大臣が就任後初めてとなる所信表明演説を行いました。そこで掲げた8つの柱のうちの一つに「グリーン社会の実現」をあげ、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すこと」を宣言しました。また、「長年続けてきた石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換します」として、これまでの石炭政策を抜本的に転換することにも言及しました。
他の先進国が2050年のカーボンゼロについて言明してきた中、ようやく日本も世界の流れに追いつき、パリ協定の目標に向かうスタート地点に立ったと言えます。環境NGOなどからは、この所信表明を歓迎する一方で、1.5℃目標に整合するよう2030年目標を45~50%以上の削減に深堀りすることや、カーボンゼロを確実に達成するような政策の導入、石炭火力の早期撤退を求める意見があがっています。現在、建設が進められている神戸や横須賀など計画中の17基の石炭火力発電所も止めなければ辻褄が合いません。直ちに建設計画は見直すことが必要でしょう。
Japan Beyond Coalで掲げる2030年に石炭火力をゼロにすることは、2050年にカーボンニュートラルを実現するための道筋として不可欠です。