イギリスのシンクタンクE3Gは、これまでもG7諸国の石炭火力政策についてスコアカードをつけて評価をしてきましたが、今回は、世界の国々の石炭火力発電所をめぐる現状について、2020年7月に新たな資料「Global status of coal power review」(英語のみ)をとりまとめて公表しました。
レポートは、先進国の石炭火力フェーズアウトの取り組みが加速しており、OECD諸国と欧州連合(EU)28か国をあわせた先進国全体のうち、71%が既に石炭火力のフェーズアウトを進めており、このうち58%は、2030年には石炭火力フェーズアウトを達成するだろう、と紹介しています。
発電において石炭に依存する割合は、多くの先進国で減ってきています。日本は、少し前までは、ドイツやアメリカより依存度が低かったのですが、これらの国々も石炭火力を減らしているので、今では先進7か国(G7)のなかで、日本が一番石炭火力に依存している国になってしまっています。
オーストラリアやポーランドなど、もともと石炭が採れる国は、まだ石炭に大きく頼っていますが、これらの国でも脱石炭の傾向が見られ始めています。
2030年に向けた目標がないという意味でも、石炭依存を減らしていないという意味でも、日本の取り組みは、先進国の中でかなり遅れています。E3Gは、様々なことを考慮した上で先進国の取り組みをランキングをしていますが、日本は、とても残念なことに「最下位」です。
私たちは、これが世界の日本の評価であるということも意識しておきたいところです。
レポート名:Global status of coal power – Pre COVID 19 baseline review(英語のみ)(PDF)
作成・発行:E3G
発行:2020年7月15日
参照(ダウンロードサイト)
E3G OECD & EU28 lead the way on global coal transition(リンク)