2021年4月16日、電源開発と宇部興産は2015年から検討していた「西沖の山(仮称)発電所」の新設計画を取り止めたと発表しました。
両社のプレスリリースには、「本計画が位置する西日本エリアにおいて、電力需要は横ばいで推移すると見込まれることや、再生可能エネルギーの導入が拡大していることなど、事業環境を巡る状況を総合的に判断した結果、本計画を取り止めることとしました。」と記しています。
計画当初は、電源開発、大阪ガス、宇部興産の3社が共同で出資する山口宇部パワー株式会社が、山口県宇部市西沖の山に超々臨界圧石炭火力発電(USC)、120万kW(60万kW×2基)の石炭火力発電所を建設し、2026年に稼働を開始する予定でした。しかし、2019年に大阪ガスが計画から撤退したのを機に、両社は当計画の規模の縮小(60万kW×単基)や酸素吹石炭ガス化複合発電(IGCC)への変更を検討しつつ、計画の継続を図っていました。
今回の計画取りや止めは、Japan Beyond Coalが2020年9月にスタートしてから初めての新規計画の中止の事例となりました。
電源開発と宇部興産が西沖の山(仮)を中止とした企業経営上の判断が、他の事業者の計画再考・中止を促すものとなることを期待します。
参考:
大阪ガス等が進める山口の石炭火力発電所新設計画に2市長が意見〜事業見直しにも言及(Link)
公式発表:
電源開発(プレスリリース)
山口宇部パワー(株) 西沖の山発電所(仮称)新設計画 計画取り止めについて
宇部興産(プレスリリース)
山口宇部パワー(株) 西沖の山発電所(仮称)新設計画 計画取り止めについて