【ニュース】 民事訴訟判決が迫る神戸発電所 4号機が営業運転開始


2月1日、神戸製鋼所が神戸市灘区で建設を進めていた石炭火力発電所2基の2基目となる神戸発電所4号機(65万kW)が営業運転を開始しました。

同社の神戸線条工場内には、すでに2基の石炭火力発電所(神戸発電所1、2号機)が稼働していたところ、2018年より新たに2基(3、4号機)の建設が進められてきました。2022年2月には3号機が営業運転を開始しており、このたびの4号機の営業運転開始により、合計270万kWにもなる石炭火力発電所が集積する日本有数の地域が神戸に出現しました。本発電所で生み出された電力は、全量が関西電力へ30年間、供給される契約となっています。

発電所周辺は、激甚な大気汚染公害があった地域で、今も行政による特段の大気汚染対策が行われている場所です。また、温室効果ガス排出が多い石炭火力は、気候変動対策を進めるうえでも支障があることから、環境悪化を懸念する市民は、神戸の石炭火力発電を考える会が中心となって、反対の声をあげてきました。

現在、3-4号機の建設・稼働をめぐっては、2つの裁判が提起されています。一つめの、建設を認めた国に対する行政訴訟は、最高裁に上告中です。そして、もう一つの、神戸製鋼所および子会社のコベルコパワー神戸第二、売電先の関西電力を被告とする建設・稼働差止訴訟が、神戸地裁で係属中です。

神戸の石炭火力発電を考える会は、4号機の営業運転開始を受けて声明を発表。

”今や気候変動問題は、深刻な人権侵害を引き起こす新たな公害問題として、私たち市民、一人ひとりに切迫した危険となっています。発電所の建設・稼働差し止めを求める民事訴訟の判決が3月20日に予定されています。裁判所には、次世代が良好な大気環境・安定した気候のもとで平穏に暮らす権利を守るべく、石炭火力発電所の稼働差し止めを認める公正な判決を下すことを求めます。”

稼働してしまった神戸の石炭火力発電所ですが、人権の砦である裁判所の3月20日の判断に注目してください。判決当日は、報告会がオンラインで配信される予定です。

神戸石炭訴訟 判決期日について ※裁判傍聴や報告会の情報を掲載しています。
Webサイトへのリンク

神戸製鋼のプレスリリース:株式会社コベルコパワー神戸第二 神戸発電所4号機の営業運転開始について(リンク