【ニュース】岸田首相COP26演説、早々に「化石賞」を受賞


Fossil of the Day

11月2日、英グラスゴーで開かれている国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)にて、日本は昨年に続き「化石賞」を受賞しました。

化石賞とは、世界の環境NGOが参加する「気候行動ネットワーク(CAN)」が、COP会期中に温暖化対策に後ろ向きな国を毎日選出して贈るものです。

この日、日本と共に不名誉な賞に選出されたのは、ノルウェーとオーストラリア。日本はこれまでのCOPでも化石賞の常連です。

日本が選ばれた理由は、首脳会合で行った岸田首相の演説から日本は温暖化対策に消極的だと判断されたため。

岸田首相は、2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度比で46%削減する目標を説明し、途上国、特にアジアでも、「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ」を通して火力発電のゼロエミッション化を進めるため、1億ドル規模の事業を展開する考えを示しました。しかし、アンモニアや水素を燃料にして温室効果ガスの排出をゼロにする技術(ゼロエミッション)を脱炭素策と位置づけていることに対し、こうした未成熟な技術は化石燃料からの脱却ではなく脱炭素を阻むものだとして、日本の方針は温暖化対策に消極的と判断されたのです。

今回のCOPでは石炭火力の段階的廃止へのコミットメントが優先課題とされているにもかかわらず、ゼロエミッションを掲げながら化石燃料を使った火力発電の活用を継続しようとする日本の姿勢は、他のG7諸国をはじめ「パリ協定」の目標実現に向け温暖化対策に積極的に取り組む国々との乖離を明確にするものとなっています。

参考情報

FOSSIL OF THE DAY AT COP26(Link
Press Release: TODAY´S LIST OF FOSSIL AWARD WINNERS IS AS LONG AS THE QUEUES AT COP (Link

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気候ネットワークは、COP26/ CMP16 / CMA3 グラスゴー会議(2021/10/31~)からの最新情報、会議場通信『Kiko グラスゴー』発信しています。『Kiko』

また、気候ネットワークは水素・アンモニアを火力発電に利用することにつき、「実態は化石燃料開発事業だ」と指摘するとともに、CO2を回収・貯留する技術の実用化も課題とするポジションペーパーを発出してます。
【ポジションペーパー】「水素・アンモニア発電の課題:化石燃料採掘を拡大させ、石炭・L N G 火力を温存させる選択肢」(Link