兵庫県知事 事業者にCO2対策義務付けを要請
兵庫県の井戸敏三知事が、6月14日、「石炭火力発電所増設等によるCO2排出量増加への対応に関する要望書」を丸川珠代環境大臣と、林幹雄経済産業大臣に対して提出していたことがわかりました。
要望書では、COP21で合意された「パリ協定」及び、県の「地球温暖化防止推進計画」の目標達成に支障を来すことが懸念されることからCO2排出量削減に向けた主体的な取組が求められるとし、以下2点を要望しています。
1)石炭火力発電所の新増設等により大幅なCO2排出量の増加が懸念されることから、事業者にCO2排出削減及び代替措置の実施を義務付けること。
2)環境影響評価法の対象とならない石炭火力発電所の新増設や既設火力発電所の石炭への燃料転換に伴う原動力設備のみの更新等を法対象に加えるなど環境影響評価を行う仕組みを構築すること。
このうち1)の要望は、事業者に対して、自主的取り組みに委ねずに義務付けをするよう求めるもので、とても重要です。
また、特に2)は、石油から石炭への燃料転換をする関西電力・赤穂発電所の想定した要望であることは明らかであり、これが環境影響評価法の対象外となっていることを問題視し、アセス逃れを懸念する内容となっています。
いずれも大変重要な要望です。これに環境省や経済産業省はどのように回答するのでしょうか?CO2排出増加の懸念を払拭できないなら、知事の言う通り、アセスにきちんとかけ、削減義務を実施するよう、今対応をとる必要があるのでないでしょうか。
兵庫県内では、6基の計画が明らかになっており、仮に全ての計画が実現すると、追加的に2,200万t(推計)が排出されることになります。5件の計画に対して「是認できない」と意見した環境大臣も、今は、石炭火力発電所の計画を「容認」する意見書を出してしまっています。
兵庫県知事にも、今後より強く政府に対して問題提起をするよう期待したいと思います。
(参考)「石炭火力発電所増設等によるCO2排出量増加への対応に関する要望書」(ひょうごの環境)