石炭火力発電所の建設計画があいついで報じられています。
気候ネットワークの調べにより、現時点(2014/10/17)で、国内で新たに建設される石炭火力発電所の計画が 少なくとも25基(計1363.8万kW)にも上ることが明らかになりました。
100万kW級の大規模原発の13基分に相当する規模であり、
これらがすべて建設されると、CO2排出は年間8,182.8万トンにも上ると推計されます(※)。
この計画の中には、東日本大震災前に計画されすでに着工されているものもあり、早いものでは2016年に運転を開始しますが、
そのほとんどは震災後に計画されたもので、 2020年の運転開始が特に多くなっています。
2020年の1年だけで8基もの石炭火発が運転を開始する見通しです。
石炭火力発電所は、一度建設すると約40年間稼動します。
つまりこれらの計画をそのまま野放しにすれば、将来、長期間にわたる大量のCO2排出を
必然的なものとして固定(lock-in)してしまうのです。
政府はすでに、2050年に温室効果ガスを80%削減するという目標を閣議決定していますが、
このように石炭火発が多数建設されれば、この目標の達成が危うくなる可能性があります。
CO2排出が問題にされ、石炭火力発電所の新設計画は、一度は止まっていましたが、
この「石炭回帰」の流れの中でどんどん突き進もうとする現状は、気候変動対策から大きく逸脱していることは明白です。
このような方針の過ちを許さず、石炭発電所建設ラッシュを食い止めることは、
日本にとってとても重要な喫緊の課題だと言えます。
※マサチューセッツ工科大学のレポート(The Future of coal http://web.mit.edu/coal/)では、
50万kWの石炭火力発電所は年間300万トンのCO2を排出するという推計がなされており、
日本の既存の石炭火力発電所もおおよそ同程度の排出をしていると推計される。
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