国際石炭シンポジウム 講演資料の公開
5月29日、東京 神保町で国際シンポジウム「気候変動とエネルギー:石炭火力発電の問題に迫る」を開催致しました。
シンポジウムは2部構成で、「第1部:石炭は日本の電力の解決策になるのか」では海外で石炭関連の研究や対策への提言を行う専門家から見た日本の石炭事情をお話いただき、「第2部:効率的な石炭火力発電技術は、持続可能な社会への解決策か?」では日本が海外に融資している石炭火力発電事業について現地からのレポートを交えてお話しいただきました。
多数の講演を通し、世界から孤立しつつある日本の石炭事情、現地での反対にも関わらず推し進められている日本の投資による石炭火力発電計画の現状が示されています。このシンポジウムが日本の抱える石炭火力発電の問題を意識する機会になればと願っています。
以下に講演資料を公開しますので、ぜひご参照下さい。
また、増え続ける国内の石炭火力発電所計画や日本の投資案件の進展などを引き続きお知らせしていきますので、今後の活動にもご注目、ご賛同下さいますようお願い致します。
<国際シンポジウム資料一覧:プログラム順>
第1部:石炭は日本の電力の解決策になるのか?
1.電力市場と石炭:海外での実例
気候変動対策としての資本市場調整に向けた非営利的な取り組み
ジェームス・リートン(カーボン・トラッカー、研究ディレクター)
エネルギーヴェンデと経済
クリストフ・ポデウィル(アゴラ・エネルギーヴェンデ、コミュニケーション・ディレクター)
低炭素経済に向けた英国の経験
マット・フィリップス(欧州気候財団、国際エネルギープロジェクト・ディレクター)
ニック・メイビー(E3G、代表理事)
2. 日本の電力をめぐる状況
原子力発電の現状
大島堅一(立命館大学、教授)
自然エネルギーを早く日本の基幹電源に
大野輝之(自然エネルギー財団、常務理事)
日本の石炭火力をめぐる問題
平田仁子(気候ネットワーク、理事)
3. パネル・ディスカッション:日本の電力システムのあり方
第2部:効率的な石炭火力発電技術は、持続可能な社会への解決策か?
1.石炭と持続可能な開発
欧州投資銀行(EIB)の気候変動戦略及びエネルギー融資政策
アディーナ・レリコヴィッチ(欧州投資銀行、上級環境専門官)
アジアの石炭火力発電からの排出増大に起因する疾病の問題
シャノン・コプリッツ(ハーバード大学、大気化学モデリング・グループ)
2. 石炭火力発電事業の海外融資について
OECD諸国における石炭関連の輸出信用の現状
ラファエル・センガ(WWFインターナショナル、エネルギー政策アジア・パシフィック マネージャー)
インドネシアにおける日本資本の石炭火力発電所-現地からの報告
アリフ・フィヤント(グリーンピース・インドネシア、気候・エネルギーキャンペーン・チームリーダー)
3. ディスカッション:国際的な石炭火力発電資金における日本の役割
JBIC支援の石炭火力発電は高効率・低公害なのか?
田辺有輝(JACSES、プログラム・コーディネーター)
国際的な石炭火力発電資金における日本の役割
波多江秀枝(FoE Japan、委託研究員)