環境省と経済産業省は4月26日、東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議取りまとめを公表し、石炭火力発電所の新増設に関する環境影響評価(アセスメント)の基準を正式発表した。
環境アセスにおける二酸化炭素の取扱いについては、事業者には商用プラントとして既に運転開始をしている最新鋭の発電技術の採用を求めるとともに、国の目標・計画との整合性をはかるよう求めるにとどまった。日本では、CO2排出に関する規制や排出量取引制度等の経済的措置がなく、今回のようなアセス基準緩和によって石炭火力が新設されれば、日本の削減はより困難な状況に陥ることが懸念される。
今回、政府の協議にあたっては、事前に公明党から「石炭火力発電に対する環境アセスメントの見直しに関する申し入れ」が行なわれており、国際約束に基づく対応が重要であること、CO2排出規制がない中での基準緩和は問題であること、政府全体で整合性のあるアプローチが必要であると、拙速に石炭火力のアセス緩和をするべきではないとの要請があったが、政府は今回の取りまとめに踏み切っている。