「石炭の環境アセスメントは緩和せよ」
そんな見解が、4月1日、早くも規制改革会議でまとめられました。
そこでは、こんなことを言っています。
今の環境アセスメントは、CO2削減の過重な措置を求めて、事業の障壁になっている。だから、
① 審査判断は、最先端の技術を明らかにして、環境アセスメント申請時などの事業計画に支障ないような時点で行うこと。
② 国のCO2目標との整合性を求める審査を見直すこと。
③ 新増設でも、可能な限り審査を簡素化すること。
つまり、環境アセスメントを通じてCO2排出を理由に事業を止めることがないよう、事前に最先端技術はコレですと明示して、その技術をつかうなら、環境アセスメントは形骸化してもいいことにしましょう、という見解です。
CO2排出が増えることについては、「3E+Sの観点でバランスよく解決を目指すべき」とされていて、またもや“3E”が、環境配慮を軽視する口実にされています。
大量にCO2を排出する問題が、これほどにも軽く扱われてしまっています。
また、「福島第一原発事故以来、安価で安定的なエネルギー供給に大きな支障が生じている」、だから「当面、石炭火力の位置づけを見直し、その役割を高めていくことが喫緊の課題」としていますが、今直面している短期のエネルギー問題と、一度作れば将来40年にわたって動き続ける石炭発電の必要性と結びつけるのも、疑問です。
将来の持続可能なエネルギーのあり方の議論もできていない中で、石炭発電だけをこのように促進していいのでしょうか?
規制改革会議は、この見解をふまえて、環境省・経済産業省に1か月以内に、石炭発電の環境アセスメントに関して結論を得るように、と求めています。
これに対する、環境省、経済産業省の対応が、次の重要な動きになっていきます。
引き続きウォッチをしていきましょう。
(※) この問題は、「え、いまさら石炭で発電?」の「4.最近の、もっとアブナイ動き」でも紹介しています。
(参考)2013年4月1日、第6回規制改革会議「石炭火力発電に対する環境アセスメントに関する規制改革会議の見解」 (リンク)