東京電力は2月より応募受付をしてきた、2019~2021年までに供給を開始する新たな火力電源260万kWの入札について、5月24日に受付を終了し、その結果を公表しました。
応募は、鉄鋼1件、電気・ガス業2件の計3件で、予想通り、いずれも石炭発電となっています。報道によれば、入札したのは、中部電力、新日鉄住金、電源開発(Jパワー)の3社で、合計68万kWとなっています。中部電力は東電の常陸那珂火力発電所内に、Jパワーは新日鉄住金の鹿島製鉄所内にそれぞれ石炭火力発電所を新設し、2020年度に運転を始める計画で、いずれの発電所も60万kW程規模で、東電以外にも売電するとされています。東電は落札候補者を6月末、落札者を7月末に決定する予定です。
今回、応募規模260万kWを大きく下回ったという結果は、入札募集の発電単価の上限価格(9.53円/kWh)が石炭火力発電を念頭にとても低く設定されたことも受けており、時代を見誤ったものだったと指摘せざるをえません。また、そもそも東京電力は、このベース電源の必要性について、エネルギー需要の大幅増加を念頭にしていますから、発電所増設の必要性すら説明がつきません。
どこが落札するにしても、2020年頃から運転を始める石炭発電所の増設に全く妥当性はありません。東電は、入札条件を変えて再入札を実施するとも伝えられていますが、応札企業が極めて少なかったことも踏まえ、火力発電入札自体を見直し、取りやめるべきです。
●東京電力 火力電源入札への応募状況について(5/24 東京電力プレスリリース)
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