ケリー米国務長官は2014年の2月16日、インドネシアのジャカルタにおいて気候変動に関するスピーチを行いました。ケリー国務長官は、気候変動が引き起こす危険は大量破壊兵器に匹敵し、世界中に影響を与えると述べました。このスピーチでは、今日使用される最も汚いエネルギーである石炭の問題を始めとして、気候変動に関する多くの課題が取り上げられました。 ケリー国務長官の熱のこもったスピーチには、気候変動がもたらす不幸な側面を示す多くの事実と数値が盛り込まれています。カリフォルニアの終わりのない干ばつ、子どもの肺がん、海面の上昇、そしてハリケーン…例を挙げだせば切りがありません。気候変動の問題に関心を寄せる温暖化懐疑論者もいますが、温暖化の証拠は衝撃的なものであり、科学者の97%が気候変動は現実に起こっていると認めています。ケリー長官はこうしたことを取り上げ、「私たちは耳を傾ける必要がある、私たちは行動する必要がある」と強調しました。 ケリー長官はまた、私たち自らがエネルギーについてより賢い選択をする必要があると強調し、その賢い選択の一つの手段が、政府や国際金融機関が石炭のようなエネルギー資源の使用を後押しするような支援をやめる事だと指摘しました。そして、その代わりに革新的なエネルギー技術に力を注ぐ必要があると述べています。スピーチではバッテリーの開発や太陽電池、インドネシアの全村に十分な電力を供給するためのプロジェクトを進めているインドネシアの「スカイエナジー」という会社にも触れていました。 さらにケリー長官は、私たちの環境と健康に石炭が与える現実の影響を直視する必要があると強調しました。石炭は酸性雨の主要な原因となり、酸性雨は私たちの水を汚染し、食べ物や仕事に影響を及ぼします。もちろん、石炭の悪影響を示すもっともよく知られている例は、中国とそのスモッグです。収穫量の減少と医療費の増加の結果、スモッグがGDPに与える影響は8%にもなります。 彼はスピーチで、市民がもっと声を上げ、各国のリーダーたちに変化を要求し、気候変動を政府高官が無視できないような課題にしなければならないと世界の人々に力説しました。 ケリー長官が述べるよう、私たちが気候変動の目標を実現するためには、よりクリーンなエネルギーに向けて大胆な変化を実現しなくてはなりません。また、各国のリーダーたち、その市民の声に耳を傾けることが求められています。 出典: アメリカ国務省、「気候変動に対する意見」、2014年2月16日 http://www.state.gov/secretary/remarks/2014/02/221704.htm 写真出典: AP Photo/Evan Vucci