4月27日、石炭発電所ウォッチの更新でお伝えしたように、電源開発株式会社(J-POWER)が兵庫県高砂市で計画していた石炭火力発電所リプレース計画を中止すると発表しました。
この計画は、現在稼働中の高砂火力発電所1・2号機(出力25万kW×2基)を廃止し、新1・2号機(出力60万kW×2基)の石炭火力発電所に建て替え、それぞれ2021年、2027年の稼働を予定していたものです。既に環境影響評価手続きの「環境影響評価方法書」まで終了し、準備書に進む段階でしたが、2017年4月25日の時点で、J-POWERが高砂市建設環境常任委員会の生活環境部に、準備書の提出の延期が伝えられていたことから、計画は当面凍結状態とみられていました。
この計画に対しては、地元住民から強い反対意見が出ていました。住民らは自治体、市議会に対して幾度も中止を求めるとともに、環境影響評価手続きにおける住民意見を重視するよう働きかけを行ってきており、このような市民の粘り強い活動が実を結んだと言えるでしょう。
この計画の断念により、追加的に増加すると推定されていた年間700万トンのCO2排出を未然に防げたことになります。