【要請書】横須賀火力発電所の建設中止を求める要請


4月1日、東京湾の石炭火力発電所建設に反対する市民グループ「石炭火力を考える東京湾の会」が、JERA及び東京電力ホールディングス、中部電力に対して(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機の建設中止を求める要請書を送付しました。以下に、各社への要請書全文を掲載します。

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株式会社JERAへの要請書全文

株式会社JERA
代表取締役社長 小野田 聡 様

横須賀火力発電所の建設中止を求める要請

石炭火力を考える東京湾の会 共同代表
鈴木陸郎、富樫孝夫、小西由希子、永野勇

拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
この度は、株式会社JERAの新社長へのご就任、誠におめでとうございます。

私ども「石炭火力を考える東京湾の会」は、東京湾岸に建設が予定されていた市原、千葉、袖ケ浦、横須賀の住民団体と環境NGOのネットワーク組織として2017年に発足し、石炭火力発電所による様々な環境汚染問題を訴え、各計画の事業者や行政などに中止を求めて活動してまいりました。ご存知のとおり、市原、千葉、袖ケ浦の計画が事業者の英断によって中止となり、将来のCO2排出や大気汚染物質などによる環境破壊を未然に防ぐことができたことを大変喜ばしく感じると同時に、横須賀に石炭火力の計画が残り、今も御社が計画を推進していることを大変憂慮しております。

現在、気候変動は極めて厳しい状況に直面しています。現在の水準で世界の温室効果ガスの排出が続けば、早ければ2030年に地球の気温上昇が1.5℃に到達すると言われております。豪雨や巨大ハリケーンや台風等ですでに多くの命が奪われていますが、今後これらがさらに深刻化するのです。昨年、スウェーデンの少女グレタ・トゥーンベリさんが行った学校ストライキとデモ活動は世界中の若者たちが共感し、「Fridays For Future」の活動として日本でもその輪が広がっています。横須賀で石炭火力発電所が建設され、2023年~24年に稼動し、大量のCO2を排出することは、こうした子どもたちの未来を奪うことにほかなりません。

御社が2月に掲げた新体制でのミッションは、“世界のエネルギー問題に最先端のソリューションを提供する”ことでした。また2025年に向けたビジョンには、“クリーン・エネルギー経済へと導く LNGと再生可能エネルギーにおけるグローバルリーダー”と示されています。どんなに「高効率」をうたったところで、横須賀火力発電所は、石炭を燃料とする限り、こうした御社のミッションやビジョンにも完全に逆行するものであり、世界の中で日本の価値を下げることになるでしょう。

クリーン・エネルギー経済を目指すのであれば、「黒い電気」とは手を切って、再生可能エネルギーへといち早く舵をきり、気候変動対策を訴える子どもたちにも胸を張って向き合えるような企業になっていただきたいと願います。

新社長のご就任にあたりまして、私たちはあらためて石炭火力発電所の建設中止の決断を求めます。

敬具

東京電力ホールディングス株式会社への要請書

東京電力ホールディングス株式会社
代表取締役社長 小早川智明 様

横須賀火力発電所の建設中止を求める要請

石炭火力を考える東京湾の会 共同代表
鈴木陸郎、富樫孝夫、小西由希子、永野勇

拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

私ども「石炭火力を考える東京湾の会」は、東京湾岸に建設が予定されていた市原、千葉、袖ケ浦、横須賀の住民団体と環境NGOのネットワーク組織として2017年に発足し、石炭火力発電所による様々な環境汚染問題を訴え、各計画の事業者や行政などに中止を求めて活動してまいりました。ご存知のとおり、市原、千葉、袖ケ浦の計画が事業者の英断によって中止となり、将来のCO2排出や大気汚染物質などによる環境破壊を未然に防ぐことができたことを大変喜ばしく感じると同時に、もともと貴社が計画していた横須賀の石炭火力の計画だけが東京湾に残り、新会社JERAによって計画が継承推進されていることを大変憂慮しております。

現在、気候変動は極めて厳しい状況に直面しています。現在の水準で世界の温室効果ガスの排出が続けば、早ければ2030年に地球の気温上昇が1.5℃に到達すると言われております。豪雨や巨大ハリケーンや台風等ですでに多くの命が奪われていますが、今後これがさらに深刻化するのです。昨年、スウェーデンの少女グレタ・トゥーンベリさんが行った学校ストライキとデモ活動は世界中の若者たちが共感し、「Fridays For Future」の活動として日本でもその輪が広がっています。横須賀で石炭火力発電所を進め、2023年~24年に稼動し、大量のCO2を排出することは、こうした子どもたちの未来を奪うことにほかなりません。

本日4月1日から株式会社JERAが、貴社と中部電力株式会社の既存火力発電事業等を承継して、巨大火力発電事業社となりました。日本の火力発電所の約4割にあたる火力発電所を保有するということは、これからの「脱炭素社会」へと向かう国際社会の中で、莫大なリスクをかかえた体制でスタートを切ることにほかなりません。日本でもRE100の取組や自然エネルギー100%を目指す動きが勢いを増しており、電力使用者も石炭の電力など求めていません。それにもかかわらず新たに石炭火力発電所を建設するというのは、自虐的ですらあります。クリーン・エネルギー経済を目指すのであれば、「黒い電気」とは手を切って、再生可能エネルギーへといち早く舵をきり、気候変動対策を訴える子どもたちにも胸を張って向き合えるような企業になっていただきたいと願います。その判断を促す責任は、出資母体である東京電力ホールディングス株式会社にもあると考えます。

私たちは、未来世代に大きなツケを残さないためにも、そして、横須賀やその周辺の大気を汚染させないためにも横須賀での石炭火力発電所の建設中止を求めます。

敬具

中部電力株式会社への要請書

中部電力株式会社
代表取締役社長 勝野 哲 様

横須賀火力発電所の建設中止を求める要請

石炭火力を考える東京湾の会 共同代表
鈴木陸郎、富樫孝夫、小西由希子、永野勇

拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

私ども「石炭火力を考える東京湾の会」は、東京湾岸に建設が予定されていた市原、千葉、袖ケ浦、横須賀の住民団体と環境NGOのネットワーク組織として2017年に発足し、石炭火力発電所による様々な環境汚染問題を訴え、各計画の事業者や行政などに中止を求めて活動してまいりました。ご存知のとおり、市原、千葉、袖ケ浦の計画が事業者の英断によって中止となり、将来のCO2排出や大気汚染物質などによる環境破壊を未然に防ぐことができたことを大変喜ばしく感じると同時に、貴社が出資する新会社JERAによる横須賀の石炭火力の計画が残り計画を推進していることを大変憂慮しております。

現在、気候変動は極めて厳しい状況に直面しています。現在の水準で世界の温室効果ガスの排出が続けば、早ければ2030年に地球の気温上昇が1.5℃に到達すると言われております。豪雨や巨大ハリケーンや台風等ですでに多くの命が奪われていますが、今後これらがさらに深刻化するのです。昨年、スウェーデンの少女グレタ・トゥーンベリさんが行った学校ストライキとデモ活動は世界中の若者たちが共感し、「Fridays For Future」の活動として日本でもその輪が広がっています。横須賀で石炭火力発電所を進め、2023年~24年に稼動し、大量のCO2を排出することは、こうした子どもたちの未来を奪うことにほかなりません。

本日4月1日から株式会社JERAが、貴社と東京電力フュエル&パワー株式会社の既存火力発電事業等を承継して、巨大火力発電事業社となりました。日本の火力発電所の約4割にあたる火力発電所を保有するということは、これからの「脱炭素社会」へと向かう国際社会の中で、莫大なリスクをかかえた体制でスタートを切ることにほかなりません。日本でもRE100の取組や自然エネルギー100%を目指す動きが勢いを増しており、電力使用者も石炭の電力など求めていません。それにもかかわらず新たに石炭火力発電所を建設するというのは、自虐的ですらあります。クリーン・エネルギー経済を目指すのであれば、「黒い電気」とは手を切って、再生可能エネルギーへといち早く舵をきり、気候変動対策を訴える子どもたちにも胸を張って向き合えるような企業になっていただきたいと願います。その判断を促す責任は、出資母体である中部電力株式会社にもあると考えます。

私たちは、未来世代に大きなツケを残さないためにも、そして、横須賀やその周辺の大気を汚染させないためにも横須賀での石炭火力発電所の建設中止を求めます。

敬具