【ニュース】国際NGOがJパワーにGENESIS松島計画の中止を要請


国際環境NGOの350.org Japanとグリーンピース・ジャパンは、共同で2026年4月8日、電源開発(Jパワー)が進める「GENESIS松島計画」の中止を求める声明を発表しました。この計画は、Jパワーが長崎県の松島火力発電所で既存の石炭火力に10万kW相当の石炭ガス化発電設備を敷設する計画です。

両団体は、この計画は石炭火力発電所を廃止するものではなく、むしろ稼働を長期化させる「延命策」に過ぎないと批判しています。実際、本計画で将来の排出削減策として検討されているアンモニア混焼は依然として実証段階にあり、コストや供給の面でも多くの課題があります。気候危機への対応としては不十分であり、抜本的な解決にはなりません。

また、この計画は日本の国際的な約束とも整合しません。日本政府はG7やCOPの場で、化石燃料からの移行や石炭火力の段階的廃止にコミットしています。そうした中で、石炭火力を延命するための投資を進めることは、脱炭素への流れに逆行し、国際社会からの信頼を損なうおそれがあります。

要望書ではさらに、経済合理性の観点からも疑問が呈されています。再生可能エネルギーのコストは近年大きく低下しており、太陽光や風力はすでに石炭火力よりも安価な電源となっています。将来的な炭素価格の導入や規制強化を踏まえれば、石炭関連資産は「座礁資産」となるリスクもあります。GENESIS松島計画は、こうしたリスクを抱えた投資だと言えます。

350.orgとグリーンピース・ジャパンは、Jパワーに対し同計画の中止を求めるとともに、再生可能エネルギーへの転換を加速するよう訴えていまする。地域経済や雇用を守る観点からも、持続可能なエネルギーへの移行こそが現実的な選択肢であると強調しています。

気候危機が深刻化する中で、企業の責任はますます重くなっています。GENESIS松島計画は、過去の延長線上にとどまるのか、それとも未来への転換を選ぶのかを問う象徴的な事例です。今こそ、石炭に依存しないエネルギーシステムへの明確な舵切りが求められています。

参考

プレスリリース】石炭火力発電増設計画「GENESIS松島」の中止を求める要望を電源開発に提出しました(350.org)

GENESIS松島の計画については「ACT松島」も参照ください。