2023年の夏、私たちは連日危険な暑さを体験しました。「地球は沸騰化の時代」と表現されるほど、気候危機を実感しない時はありませんでした。私たちはこれから、より命の危険を感じる暑さの中を生きなければならないのでしょうか。
気候危機を回避するために必要なのが、日本が2030年までに石炭火力から卒業することです。また、「2030年まで」と言及することは、石炭関連産業をただ撤退するのではなく、公正に産業から移行するための道筋を示すことができるのです。今、卒業を宣言するからこそ、できることがあります。
世界の市民運動では「Keep it in the ground(化石燃料を掘り起こさないで)」というシュプレヒコールがあります。石炭火力発電はアンモニアや水素での混焼をはじめとした「新技術」によって使用の延命措置が取られようとしています。しかし、そもそも化石燃料を掘り出さないことこそがこの気候変動を食い止めるためには重要であることをこの言葉が教えてくれます。GHGの歴史的排出量からも、日本は石炭火力に固執せず、ポテンシャルのある再生可能エネルギーへの転換が今必要なのです。
プロフィール
気候危機を記憶する発信型ムーブメント record 1.5 共同代表。2001年鹿児島県生まれ。現在、鹿児島大学水産学部に在籍。2019年の高校3年生より早急な気候変動対策を求める若者の運動Fridays For Futureにオーガナイザーとして参加後、2020年に Fridays For Future Japan を立ち上げる。その後は#気候危機止めるために学校休みます や #選挙で聞きたい気候危機 などのプロジェクトも立ち上げる。2021年には温暖化対策推進法案改正に伴う参考人として出席。鹿児島市環境審議会委員を務める。