【ニュース】「神奈川県地球温暖化対策計画」パブコメ募集 2023年11月9日まで


神奈川県は、2023年10月11日から11月9日まで、「神奈川県地球温暖化対策計画」の改定素案へのパブリックコメントを募集しています。

「地球温暖化対策計画」は、自治体の温室効果ガス排出削減目標や、削減の方法を示したものです。神奈川県は2010年に「神奈川県地球温暖化対策計画」を策定し、2016年に全面改訂、2022年に一部改訂を行い、地球温暖化対策を進めてきました。今回、県は脱炭素社会の実現に向けた基本的考え方や各種目標、緩和策と適応策の追加等について、全面的な見直しを行おうとしています。

2050年ネットゼロ目標の達成に向け、自治体が計画を見直し、強化することは重要です。神奈川県は日本で2番目に人口の多い都道府県であり、日本全体をリードするような計画の策定が期待されます。

パブリック・コメントを書いて政策に意見しよう

行政機関が重要な政令や省令等を定めようとする際には、パブリック・コメントと呼ばれる意見公募手続きを行うこととなっています。パブリック・コメントとは、手続きに則り、文案を公表し、広く意見を募集するものです。規定の書式に記入することで、誰でも意見を提出することができます。

東京都の太陽光発電設置義務化(2022年12月)や神奈川県川崎市の太陽光発電設置義務化(2023年3月)、長野県の2030年温室効果ガス削減目標の60%への引き上げ(2021年6月)は、パブコメで届いた市民の声が後押しとなって実現しました。今回もパブコメを通じて多くの市民の声を届けることで、神奈川県の地球温暖化対策計画をより良いものにしましょう。

今回の主な注目点

太陽光発電設備の設置義務化
改定案には、「太陽光発電設備の設置義務化の検討」が盛り込まれています。太陽光発電設備の設置義務化は、再エネの拡大に有効な方策です。東京都と神奈川県川崎市では、太陽光発電設備の設置をハウスメーカーに義務付ける条例が成立しています。神奈川県でも再エネの拡大を進めるため、太陽光発電設備の設置義務化に賛成する意見を送りましょう。

ゼロエミッション火力の推進
改定案では、エネルギー転換部門(発電部門)の取組の方向性として、「電力事業者による水素やアンモニアを活用したゼロエミッション火力の推進」によって化石燃料の使用量を減らしていくことが必要としています。しかし、水素・アンモニアを発電燃料として使う技術は開発途上であり、電力事業者の目標通り2030年までに20%混焼が実現したとしても、残り80%は化石燃料を燃やすことになります。また、水素やアンモニアは製造や輸送の過程で大量のCO2を排出するため、ライフサイクルでの排出削減効果はわずかです。
神奈川県にある火力発電所を下表に示します。水素やアンモニアを混焼して使い続けるのではなく、石炭火力を早期に廃止し、天然ガス火力も2035年の電源の脱炭素化に向けて段階的廃止を目指すよう意見を送りましょう。

<神奈川県内の火力発電所>

神奈川県内には、ここに挙げた発電所以外にも、多くの事業者が工場などの敷地内に火力発電設備を有しています。

他にもあるパブコメのポイント
ここに記した他にも、「ゼロエミッションを実現する会」のウェブサイトでは、2013年温室効果ガス排出削減目標の引き上げ、EVの推進、住宅の断熱基準の強化など、改定案のポイントを解説しています。パブコメの提出方法や意見の例文、パブコメを書くための学習会の案内なども掲載されているので、是非ご覧ください。
ゼロエミッションを実現する会(リンク

パブリックコメント(意見)の出し方

以下の神奈川県のウェブサイトの「意見退出方法」にあるリンクから、案内に従ってオンラインで意見を提出する方法と、郵送やFAXによる提出方法があります。いずれの方法でも期日までに提出するようにご注意ください。
「神奈川県地球温暖化対策計画」の改定素案に関する意見の募集について(リンク