愛知

温室効果ガス排出量が国内2位となる愛知県には、知多半島東側の衣浦湾にJERA碧南火力発電所、JERA武豊火力発電所、中山名古屋共同発電の3つの石炭火力発電所が集まっている他、計11基(設備容量5,756MW)もの石炭火力発電所が稼働しています。

特に、JERA(東京電力フュエル&パワーと中部電力が出資する日本最大規模の火力発電事業者)の碧南火力発電所は、1~5号機の5基の合計設備容量が410万㎾※、年間二酸化炭素排出量が2,294万トン(2021年度)となる国内最大の排出事業所です。4号機では石炭へのアンモニア20%混焼の実証実験が2024年4月から行われています。大型の商業炉でのアンモニア20%混焼は、世界初の試みとなりますが、アンモニアのライフサイクルまで含めて見ると排出削減にならず、石炭火力の延命につながるとして問題視されています。

2022年に商業運転を開始したJERA武豊火力発電所5号機は、バイオマス混焼を行い、設備容量107万kWという1基として国内最大級の石炭発電所です。住宅地と隣接していますが、2024年1月にはバイオマスの粉塵による大規模な爆発事故を起こし、現在は運転を停止しています(2024年6月現在)。ただし、運転を停止しているものの、電力供給は間に合っている中、今後の再稼働の必要性が問われています。

これら石炭火力の問題や、県内の気候変動課題に取り組むため、2023年末に「クール・クライメートあいち」という市民グループが立ち上がりました。学習会を行ったり、自治体への働きかけなどを行ったりしています。