ハーバード大学による環境汚染に関する報告書
『東南アジアにおける石炭火力発電所からの排出増加による疾病負担(日本語仮訳)』完成のご案内
2017年1 月にハーバード大学がEnvironmental Science & Technologyに発表した大気汚染関連の論文の日本語仮訳が完成しました。
『東南アジアにおける石炭火力発電所からの排出増加による疾病負担(日本語仮訳)』(原題:Burden of Disease from Rising Coal-Fired Power Plant Emissions in Southeast Asia)に記された健康影響評価には、東南アジアで石炭火力発電所からの大気汚染物質の排出が増えれば、それに起因する健康被害(疾病負担)も増加すると推定しています。本論文における2030年の予測は、現時点で建設中あるいは計画段階にあるすべての石炭火力発電所を含めた「石炭将来拡大」シナリオとなっており、同地域の二酸化硫黄(SO2)排出量および窒素酸化物(NOX)排出量はいずれも年間2.6Tg(テラグラム)に増加すると予測されています。人口密度が高く、急速な経済開発が進む東南アジアにおける石炭火力からの排出物質に起因する年間超過死亡数は、2030年に69,660(40,080〜126,710)人に増えると推定されています。
さらに、東南アジアの石炭火力からの汚染物質排出増加は、周辺国への越境汚染の影響増加の原因となるなど、大きな問題をはらんでいると指摘しています。
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日本語仮訳:
『東南アジアにおける石炭火力発電所からの排出増加による疾病負担(日本語仮訳)』(PDF)
原文:
Burden of Disease from Rising Coal-Fired Power Plant Emissions in Southeast Asia(Environ. Sci. Technol.)
Environ. Sci. Technol., 2017, 51 (3), pp 1467–1476
DOI: 10.1021/acs.est.6b03731
Publication Date (Web): January 12, 2017