※6月10日に機関投資家向けの追加資料を掲載しました。
4月11日、国内外の環境NGOとその代表者を含む個人株主が、金融、商社、電力の3業界の4企業(SMBCフィナンシャルグループ、三菱商事、JERAの株主である東京電力ホールディングスと中部電力(持ち株比率50/50))に対し、気候変動対策の強化を求める株主提案を提出しました。
気候ネットワークが主提案者となって提出した一昨年のみずほフィナンシャルグループ、昨年の三菱UFJフィナンシャル・グループへの株主提案、および昨年のマーケット・フォースによる住友商事への株主提案と同様に、気候変動対策の強化・加速を求めるものです。
各提案は、パリ協定目標と整合する中期および短期の温室効果ガス排出削減目標を含む事業計画の策定・開示、あるいは、2050年炭素排出実質ゼロ(ネットゼロ)目標との整合性評価・報告、ネットゼロ目標への移行に向けた資産の耐性の評価の開示などを求めるものです。提案内容と提案理由については、各提案のPDFをご覧ください。
ここでは、この動きを後押ししている背景、それぞれの提案者と関連資料を記します。
背景
- 世界で公的部門や民間部門によるネットゼロへのコミットメントが増加している。
- 海外の機関投資家は、石炭火力発電事業、化石燃料関連事業への支援中止や投融資からの撤退を進めている。
- COP26では脱炭素や森林破壊停止に向けた流れが明確に示された。
- 国際エネルギー機関(IEA)の「Net Zero by 2050(2050年ネットゼロ報告書)」シナリオや科学的な分析でも、パリ協定の1.5℃目標を達成するためには脱石炭、脱炭素を急がなければならないことが明らかになっている。
- 機関投資家が企業の気候危機対策を重視する傾向が高まっている。
株主提案(提案者*と提案および関連資料PDF)
三井住友フィナンシャルグループへの株主提案
提案者:マーケット・フォース(豪)、気候ネットワーク(日)、横山隆美(350.org Japan代表)、渡辺瑛莉(同シニア・キャンペーナー)、川上豊幸(米NGO RAN日本代表)
提案書:三井住友フィナンシャルグループへの株主提案(PDF)
資料:三井住友フィナンシャルグループ 投資家向け説明資料(PDF)
資料2:三井住友フィナンシャルグループ 投資家向け説明資料 2022年5月20日(PDF)
三菱商事への株主提案
提案者:マーケット・フォース(豪)、気候ネットワーク(日)、深草 亜悠美 (FoE Japan 気候変動・エネルギー担当)
提案書: 三菱商事への株主提案(PDF)
資料:三菱商事株式会社 投資家向け説明資料(PDF)
資料2:三菱商事株式会社 投資家向け説明資料 2022年5月25日(PDF)
東京電力ホールディングスおよび中部電力への株主提案
提案者:マーケット・フォース(豪)、気候ネットワーク(日)
提案書:東京電力ホールディングスへの株主提案(PDF)、中部電力への株主提案(PDF)
資料:東京電力ホールディングス株式会社・中部電力株式会社 投資家向け説明資料(PDF)
資料2:東京電力ホールディングス株式会社・中部電力株式会社 投資家向け説明資料 2022年6月6日(PDF)
* 共同提案者となっている個人株主の所属団体は各株主提案を支持しています。
気候変動対策が急務となっていることに加え、昨今の世界情勢を踏まえれば、日本は供給を大きく輸入に依存している化石燃料から一刻も早く脱出する必要があります。化石燃料事業に関わる企業、資金的支援を通してそうした事業を推進している金融機関らが、この株主提案の求めに応じて気候変動対策をさらに強化し、脱炭素社会に向けて企業価値の向上を図ることを求めます。
関連情報
【プレスリリース】国内外の環境NGOが国内4企業に株主提案(2022年4月13日)
(気候ネットワーク/350 Japan.org)
【プレスリリース】三井住友フィナンシャルグループの新たな気候方針はパリ協定1.5℃目標に未だ整合せず(2022年5月16日)
(気候ネットワーク/350 Japan.org)