【プレスリリース】G20大阪サミット直前 横須賀石炭火力発電所 計画地前アクションを実施


プレスリリース

2019年6月26日

G20大阪サミット直前 横須賀石炭火力発電所 計画地前アクションを実施
GLOBAL PEOPLE’S ACTION in Yokosuka
気候危機の回避を求めて

6.26 横須賀アクション実行委員会

本日6月26日、横須賀市久里浜にある横須賀石炭火力発電所建設計画地に隣接する緑地で、日本政府に対して実質的な気候変動対策の推進および早期の脱石炭への舵切りを求める市民アクションを実施しました。このアクションは、28日から大阪で開催されるG20の議長である安倍晋三首相に対し、大阪G20サミットを機に、日本もパリ協定に基づく1.5℃目標達成に向けて石炭からの脱却をし、G20議長としてのリーダーシップをとるよう求めるものです。

本アクションには、横須賀市民やその他首都圏在住の市民約100人が参加。旧横須賀火力発電所の解体作業の現場をバックに、石炭を手に満面の笑みを浮かべる安倍首相を形どったパネルが登場し、横須賀の石炭火力発電所の中止を求めるバナーなどをかかげての写真撮影、各団体から石炭火力発電中止を求めるメッセージが発信されました。

横須賀の石炭火力発電所計画(130万kW、65万kW☓2基)は、東京湾岸で浮上した4ヶ所での石炭火力発電所の建設計画のうち、唯一残った計画です。市原、千葉、袖ヶ浦の3ヶ所の計画は、強い住民の反対運動を受け、これまでに事業者が中止を発表しました。しかし横須賀では、他の箇所同様に住民による強い反対があるにもかかわらず、すでに環境アセスメントの手続きが終了し、5月7日に基礎工事が着工、8月1日に 予定されている本工事着工に向け、既に旧発電所の撤去作業が行われています。横須賀火力発電所計画は、東京電力フュエル&パワーと中部電力が出資する株式会社JERAの事業であり、東京電力福島第一原子力発電所の事故後、経済産業省の「東電改革提言」に位置づけられています。また、本事業にあたっては日本政策投資銀行の融資が決定しているとも報じられており、政府肝いりの会社であると言えます。まさに、日本の石炭火力発電所の新規建設を象徴する案件です。

横須賀市民を中心とする住民45名は、本年5月27日に、横須賀石炭火力発電所新1・2号機について、国を被告として環境影響評価書の確定通知の取消しを求める行政訴訟を東京地方裁判所に提起しました。本日のアクションにあわせ、横須賀石炭火力発電所訴訟のWEBサイトも公開しておりますのでご参照ください。

この訴訟原告団代表の鈴木陸郎氏は、「石炭火力発電所が稼働することで健康被害が出るのではないかが心配。しかも、旧火力発電所は長期に渡って運転が停止していたにもかかわらず『改善リプレース』だとして環境アセスも省略され、住民の反対を無視するように計画が進められていることには納得できない。環境の悪化を防ぎ、若い世代の将来を守るためにも、石炭でなく再生可能エネルギーへと転換すべき」とコメントしています。

また、この日には、日本に脱石炭を求める『NO COAL JAPAN』キャンペーンの下、日本が石炭技術輸出を進めている国々や石炭事業で関連のある国(フィリピン、インドネシア、インド、パキスタン、バングラディッシュ、アメリカ、オーストラリア)の日本大使館前などでも脱石炭などのメッセージを掲げたアクションが行われました。G20開催期間中の世界各地のキャンペーンおよび世界における日本の石炭事業関連についてはNo Coal Japanのサイトをご参照ください。

アクションおよび本プレスリリースに関するお問い合わせ:

6.26 横須賀アクション実行委員会
気候ネットワーク東京事務所内(桃井、鈴木)
Tel:03-3263-9210 Email:tokyo@kikonet.org

6.26 横須賀アクションの呼びかけ団体・賛同団体について

<呼びかけ団体>

石炭火力を考える東京湾の会 

石炭火力を考える東京湾の会(略称:東京湾の会)は、東京湾岸に新増設される石炭火力発電所の問題に取り組む、市民グループの緩やかな連絡会です。建設計画地域である、千葉県千葉市、千葉県市原市、千葉県袖ケ浦市、神奈川県横須賀市にて活動を行ってきた4つの市民グループとNPO法人気候ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、国際環境NGO グリーンピース・ジャパン、パタゴニア日本支社などによって構成されています。これまで市原、千葉、袖ヶ浦の計画は中止となり、残るは横須賀の計画のみとなりました。

グリーン連合 

日本各地で、様々な環境活動に携わる多くの仲間とつながり、これまで積み重ねてきた経験と英知を結集し、危機的状況にある地球環境を保全し持続可能で豊かな社会構築に向けた大きなうねりを日本社会に巻き起こすために2015年6月5日に設立された環境NGO・NPO・市民団体の全国ネットワーク。市民版環境白書(通称「グリーン・ウォッチ」)を毎年発行し、日本の環境政策の課題を浮き彫りにしています。

CAN-Japan 

気候変動問題に取り組む、120カ国以上・1100の環境NGOからなる国際ネットワーク組織であるClimate Action Network(CAN)の日本拠点です。CANインターナショナルと連携して国際的な活動を行うのと共に、日本に拠点を置くNGOが連携し、国際交渉の前進や持続可能なエネルギー推進のための日本国内の気候変動対策の強化、対外気候政策の健全化のために、国内で独自の活動も展開しています。

eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)

2011年3月11日の福島第一原発事故を契機に、脱原発と自然エネルギーを中心とした持続可能なエネルギー政策を実現させることを決意した、団体・個人の集まりです。(1)「事故被害の最小化」と「責任所在の明確化」、(2)「脱原発と持続可能なエネルギー政策に向けた政策提言づくり」と「その実現」、(3)「市民への有益な情報発信」と「社会的ムーブメントの巻き起こし」の3つの分野で活動を展開しています。

Fridays For Future Tokyo 

Fridays For Future (FFF) は、2018 年夏に、スウェーデンの少女グレタ・トゥーンベリが、気候変動対策の強化を求め、スクールストライキを行ったことから始まった、子ども・学生のムーブメントです。FFF Tokyoは、グレタの想いに共感し、日本内でも一人でも多くの人々が気候変動問題を学び、自分のこととして考え、行動を起こすきっかけとするために活動しています。

NO COAL JAPAN 

日本および世界各国の数十の市民団体の連合体で、世界各国で石炭火力発電所の建設を止めるために協力して活動しています。世界の他の国々が、安全で信頼性の高い再生可能エネルギーに移行する中で、日本は東南アジアやその他の地域で、数多くの石炭火力発電所の新設に対する資金提供を検討しています。No Coal Japanは、日本の政府、金融機関および企業に対して、世界各国で進めている新規石炭火力発電事業に対する支援をやめるよう働きかけています。

<賛同団体>

横須賀火力発電所建設を考える会、気候ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、国際環境NGO 350.org Japan
国際環境NGO グリーンピース・ジャパン、小平・環境の会、横浜アクションリサーチ、環境・国際研究会
R水素ネットワーク、大磯エネシフト、環境文明21、A SEED JAPAN、市民電力連絡会、エコメッセ
緑の党グリーンズジャパン、蘇我火力発電所計画を考える会、石炭火力を考える市原の会、
袖ヶ浦市民が望む政策研究会

「No Coal Japan」キャンペーン・アクションの写真について

今回、G20大阪サミットに合わせて実施される「No Coal Japan」キャンペーンの一連のアクション写真は以下のフォルダーに保存しているものをコピーしてご利用いただけます。
横須賀でのアクションの写真・動画を利用される際には、『No Coal Japan 提供』とご記入ください。また、海外団体が提供してくれている写真については、共有用のフォルダの共有用のフォルダの国ごとのフォルダにクレジット記載方法を掲示しておりますので、こちらを御参照いただけますようお願い致します。
尚、写真および動画の利用は非営利目的の利用に限らせていただきますのでご了承ください。
アクション写真フォルダ