the problem
問題提起

脱炭素をめざすという世界の決意

気候の変化を危険な水準にならないようにするために、世界の国々により、国際協定の「パリ協定」が作られました。そして、気温上昇を1.5〜2℃を大きく下回るようにしようと約束しました。

この目標を達成するためには、世界全体で今から温室効果ガスの排出を大きく減らし、2050年までにはCO2排出を実質ゼロにしなければなりません。とくに、2030年までに、現在のCO2を約半分にまで減らさなければならないため、今から10年の行動がとても重要になります。

世界のトレンドは”脱石炭”

化石燃料の中で最もCO2の排出が大きい燃料が石炭です。大型の石炭火力発電所1基(100万kW)は、年間約600万トンのCO2を排出しますが、これは約150万世帯の1年間の排出量と同じです。石炭火力は天然ガス火力の約2倍のCO2を排出します。

そのため、気候変動対策としては、石炭火力発電所への依存を減らすことに最優先で取り組まなければなりません。積極的な国では、例えばイギリスでは2025年、カナダでは2030年には国内のすべての石炭火力発電所を廃止することを宣言しています。このような“脱石炭”を宣言する国は、いまや33カ国にのぼります。

脱石炭の流れは止められない

先進国をはじめとして、世界が「脱石炭」に向かう理由は、気候危機への対応というだけではありません。気候変動に対応する方が、経済的で、ビジネスでも有利になってきているからです。

金融機関や機関投資家は石炭関連産業への投融資をやめたり、グローバルビジネスを展開する様々な企業が、再生可能エネルギー電力で電力の100%をまかなう(つまり石炭火力発電や原子力発電などの電力は一切買わない)ことを宣言したりする動きが急速に広がっています。今では風力や太陽光といった自然エネルギーのコストは大きく下がり、経済性の面からも有利になってきています。

できるだけ早く石炭から脱却することが国力をあげていくことにもつながっています。