深刻になる異常気象。気候変動はこれからどうなる?
最近、日本各地で異常気象が頻繁に発生しています。数時間で数百ミリもの雨が集中的に降って、河川の氾濫や土砂崩れを引き起こしたり、体温を上回るような猛烈な熱さを記録したりと、激しさを増しています。地球の平均気温は工業化前から約1℃上がっていますが、気象庁は、これらの異常気象に、地球温暖化の影響があると説明しています。
気候災害は、熱波、干ばつ、豪雨、大規模な山火事といった形で、世界に大きな被害をもたらしています。
19世紀後半の工業化以降、地球の平均気温は上がり続けています。とくに1990年以降、そのスピードが加速しています。このままでは、気候変動のリスクは今以上に大きくなってしまいます。人類や地球上の生物が生き続けられる環境を未来に残せるかどうか、今が、瀬戸際の時にあります。
最大の問題は人間が化石燃料を燃やすこと
今日、世界では1年間に、500億トン(CO2換算)もの温室効果ガスが排出されており、この多くが化石燃料の燃焼によるものです。これがこの先も同じように続けば、地球温暖化には歯止めがかからなくなり、気温が3℃・4℃と上がり続け、とても危険な領域になってしまいます。
人々や生物が対応できるように温暖化を止めるためには、気温上昇を工業化以前に比べて1.5℃の上昇に抑えなければなりません。しかし、今のままでは早ければ2030年には1.5℃に到達してしまうかもしれません(図)。
気候危機を回避するためには、化石燃料の利用を抑え、CO2の大気放出を減らすしか方法はありません。

気候の危機を止めるには、社会のしくみの転換が必要
これらはとても大切な行動で、もっと広めていきたいところです。ですが、あいにく、気候変動問題は、このような私たち一人ひとりのとりくみをはるかに超えており、それだけで解決することはできません。なぜなら、私たちのくらしや経済は、化石燃料に依存するエネルギーシステムや経済の仕組みそのものと深くつながっているからです。
気候危機を回避するためには、化石燃料の利用を抑え、CO2の大気放出を減らすしか方法はありません。
気候変動問題の解決のためには、これらを含めた社会のしくみに目を向け、転換していくことがとても大事なのです。
